2020年ごろから始まった日本でのFIREブームは、2024年現在まだそのブームは続いているように思います。
あるアンケート結果によると、働く男女の7割がFIREしたいと考えているようです。
投資の目的を問うアンケート結果でも、FIREが目的と答えている割合は高いようです。
かくいう私も、会社に失望しFIREを目的に2021年から株式投資を始めました。(会社に期待をしていた私が悪いです。)
3年間FIREを想像し、期待し、時には待ちきれずにシミュレーションをしたりしていました。
勿論、今もFIREを目標にはしているのですが、投資を開始してからの3年間で新たな学びもありました。
FIREに対しての私なりの考えにも変化があったのでシェアしようと思います。
ーこの記事を読んで分かることー
・FIREのメリット・デメリット
FIREのメリット・デメリット
FIRE =Financial Independence, Retire Early
FIREとは経済的自立を実現し、早期退職を目標とするライフスタイルのことです。
”限られた人生の時間を(会社・仕事のためではなく)、自身の生活や大切な人のためにできるだけ活用すべき。”
ワークライフバランスなど、昨今、重要視される人生観に近いものを感じます。
ただ、メリット・デメリットを正しく理解して、想定し、準備できていないと、
”こんなはずではなかったのに・・・”
と後悔してしまう方もいるようです。
FIREのメリット
①.仕事ストレスが0になる。
②.自身の時間を自由に使える。
③.生活する場所を自由に選べる。
基本的には雇われの身ではなくなるので、自分を縛るものが一切なくなります。
人生の主導権を100%握ることができます。
①.仕事ストレスが0になる。
毎朝、満員の電車に揺られ、決められた時間に出社。
上司からの理不尽な要求。
資料作成、提出期限の厳守。
気の合わない人との協業。
残業。
くたくたになりながら帰宅、就寝。
こういった事の全てから解放されます。
職場・仕事のストレスからの解放を目的にFIREを目指す方は少なくありません。
確かに、1日の3/2以上を仕事に時間を割いているので(残業があるとそれ以上ですね。)
”人生とは誰の為のものか”
ふと疑問に感じる瞬間もあるかもしれません。
②.自身の時間を自由に使える。
毎日、起床する時間を自由に決められます。
好きな時間に、好きな人と、好きな場所で、好きなことをして過ごせます。
やってみたかった事に挑戦できます。
1日のスケジュールを自身の好きなようにカスタマイズすることができます。
③.生活する場所を自由に選べる。
出社が必要なくなるので、好きな場所に住むことが出来ます。
都会の喧騒が苦手であれば、田舎に引っ越すのも良し。
自然の近くに身を置きたければ、山や海の近くを選ぶこともできます。
更にいうと、日本でない海外に住むことも可能ですね。
FIREのデメリット
①.資産を持っとていないと実現できない。
②.生活費の維持・継続が必要になる。
③.受け取る年金額が減る。
④.社会との繋がりが少なくなる。
⑤.キャリアが中断する。
⑥.全てが自由になる。
得られるメリットが大きい分、デメリットもいくつかあります。
主に金銭的なデメリット・リスクがありますが、想定しにくい落とし穴となるのは精神面でのデメリットです。
シンプルに今の仕事ストレスをマイナスと捉え、FIREに踏み切った場合だと憧れの自由は手に入りにくいようです。
①.資産を持っていないと実現できない。
前提となりますが、まとまった額の資産を持っていないとFIREの実現は難しいです。
資産を切り崩しながら日々の生活費に充てる。
資産から貰える配当金を生活費に充てる。
不動産を貸すことで得られる家賃収入を生活費に充てる。
働かずに収入を得ることは簡単ではありませんので、生活を維持するには相当の資産が必要になります。
また、病気などの急な出費に対応できるような資金を計画的に用意しておかなくてはいけません。
勿論、日々の生活費によりますが、1000万〜3000万程度の額では不安から完全には逃れられないでしょう。
SNS等を見ていても最低でも5000万円以上でFIREを達成されている方が多いように見えます。
②.生活費の維持・継続が必要になる。
FIREを達成したからといって、贅沢な毎日を送ってしまうと資産は尽きてしまいます。
毎月の家計管理のもと、決められた生活費の中で生活する必要があります。
どんな毎日を送りたいか?によってFIRE達成額は人それぞれです。
FIREを目指す過程の中で、自分にはどんな生活が合っているのかを模索すると良いですね。
毎月旅行に行き、贅沢な食事を食べる。そんな贅沢な生活を手にしたいのか。
質素で平凡な毎日の中で、半年に一度程度の贅沢が自分には合っているのか。
はたまた、贅沢には一切の縁が無い生活を好むのか。
全てが人ぞれぞれです。
目標となる生活を決め、実現できる生活費を試算し、計画通りの額を切り崩して生活する。
FIRE達成後にはそんな、計画的な資産管理が必要となります。
③.受け取る年金額が減る。
老後の年金はサラリーマン時代に納めた額が大きいほどに、高い額を受け取ることができます。
会社勤めのサラリーマン、公務員は毎月の給与から天引きされている厚生年金の中に国民年金が含まれています。
ですが一般的に、FIRE達成後は国民年金の支払いに一本化されます。
厚生年金分を納めないとなるとその分、老後にもらえる年金額は減ってしまいます。
FIREを目指す過程の中で、減額される年金分を加味した資産形成をしなくはいけません。
もしくは、不動産収入や配当金などで減ってしまった年金をカバーできる程度に収入を得られる仕組みを作らないといけません。
④.社会との繋がりが少なくなる。
私たちは毎日、会社が決めた出社時間に遅刻しないように通勤します。
気の合わない上司との会話や、残業もあり得ます。
ですが逆に考えてみると、
強制的に出社時間が決められているからこそ、朝早く起きれているのかもしれません。
気の合わない上司の会話の中から受けるストレスが、
困難に立ち向かう忍耐力を育み、脳にいい刺激になっているのかもしれません。
仕事終わりに飲む一杯を美味しくしているのは、残業かもしれません。
嫌なことを吹き飛ばすくらい楽しい体験を会社に勤めることで得られているのかもしれません。
FIREを達成するとその悪いことも良いことも、その全てが得られなくなります。
自分は今嫌に思っていることは、意外と自分を健康に保っている重要なことかもしれません。
FIREを目指す過程の中で、自分の毎日を客観的に振り返ってみることと、
勿論人それぞれですが、FIRE後にも多少の困難を得られるような環境を事前に作るのが良いかもしれませんね。
⑤.キャリアが中断する。
FIREを達成すると自由の身、いわゆる無職。
少しも働かない完全FIREとなると、いわゆるニートです。
認められるべき素晴らしい人生観ですが、日本ではある程度の風当たりがあるでしょう。
会社をまとめ上げている上司たちは、今とは違う時代を生き抜いて来た方々です。
会社勤めの40代以降の上司たちは、FIREという考え方を頭では理解できますが、認めることは難しいかもしれません。
FIRE達成後に、FIRE生活が身に合わずに再就職を検討したとしても自身の採用を決定するのは、そういった上司の方々です。
空白の経歴に対して寛容でいてくれる方々だけでは、必ずしもありません。
もし社会復帰を検討されるのであれば、多少の困難があり得ます。
そうならないように、FIRE前に準備は必要ですし、見切り発車FIREは特に気をつけないといけませんね。
⑥全てが自由になる。
FIREを達成すると選択肢は無限大です。
朝起きる時間も、1日のスケジュールも、夜寝る時間も全て自由。
翌日の出社時間を気にした前日からの準備も必要ないです。
仕事の納期を気にする心配もありません。
私たちが強く欲している自由は、会社に縛られているが故かもしれません。
FIREを目指す理由を、意識強く明確にしないといけませんね。
”会社が嫌だから、自由になりたい”
仕事から逃れるためにFIREをするのは極論です。
単純に働く環境が嫌なのであれば、それは転職が対策になり得ます。
そういった理由ではなく、
”⚫︎⚫︎がやりたいからFIREをしたい。”
与えられた自由を、自身で管理して達成したい何かを見つけることも一つ手です。
FIREを目指す過程の中で、自身の人生をどういうものにしたいか、悩まない程度に深く考える必要がありますね。
自由とは必ずしも良いものでは無いということは念頭にFIREを目指しましょう。